研究テーマ

エデュサポネットは,若い先生を応援する “Web上の人のネットワーク” です!

『保護者支援をともに学ぶ教育者ネットワーク』,通称エデュサポネットEducator Support Networkは,保護者の方をサポートする力を身につけたいと考える学校の先生たち,特に若い先生たちを応援しようとする教育者たちのネットワークです。

これまで創り上げた「人のネットワーク」を,現在,「Web上の人のネットワーク」にまで発展して試みています。

若い先生の学びをサポート

学校の先生にとって保護者の皆さんは子どもを共に育てていくパートナーです。ですから,先生たちは保護者の皆さんと信頼関係を結びたいと考えます。そして,先生は保護者の皆さんと良好な関係を築くことで子どもたちが学校生活を安心して送り学びを深めていくことを理解しています。

今日,未来を担う子どもたちの成長を支えるために,学校と地域社会,そして家庭との連携・協働が必要とされます。しかし,地域の結びつきが弱くなり,経済的に困窮している,保護者の方に心身の疾患がある,等のことで子育てに難しさを抱える家庭が増えています。そして,子どもが学習につまずいている,友達との関係をうまく結べない,登校をしぶるといったことで悩みを抱える保護者の方がいます。このような状況にある保護者の方々とのかかわりを,先生はどのように進めていったらよいのでしょうか。

保護者の方へのかかわり方やコツ,かかわる時に大切にすること等を先輩の先生から学びたいという意欲をもつ若い先生たちはたくさんいます。

保護者の方とのかかわりで困っていることを同僚の先生に聴いてほしいと思う若い先生もいます。人は聴いてもらうことで気持ちが楽になります。

しかし,先生たちは忙しく,学校環境の変化等もあって,先生たち同士のかかわりが少なくなったといわれます。炉辺談話,廊下の会話といった日常的コミュニケーションが少なくなっているようです。また,学校の先生たちの年齢構成が崩れ,若い先生の比率が高い学校や,若い先生がお手本にしたいと思う中堅の先生たちの人数が少ない学校も多くなっています。これらの学校では世代の異なる先生たちが学び合うことは難しくなります。意欲にあふれた若い先生が保護者の方とのかかわりで困難を抱え疲弊し,残念ながら心ならず離職する場合もあります。

異世代の先生たちがともに学ぶコミュニティ

学校の先生は,お互いに経験を語り合うことで課題を解決します。複雑で多様な難しさを抱える保護者の方をサポートし、保護者の皆さんと良好な関係を築くために、先生たちが知恵を出し合って考えていく必要があります。孤軍奮闘する若い先生たちが学びたいと考えたときに学べる教師コミュニティを保障する必要があるのです。

そこで,エデュサポネットEducator Support Network では,次の2つのことに取り組み,若い先生を応援します。

  1. 保護者支援を語り合うワークショップの開発
    世代の異なる先生たちが保護者支援の経験を語り交流し学び合うワークショップを開発します。集団で語り合うことで新たな語りが創造され,語り合いをコミュニティのエンパワメントの源にできるとされます(Johnson-bailey,2010)。創造的な語り合いの場としてワークショップを開発し,異世代の先生たちのコミュニティづくりを進めます。
  2. 『保護者支援をともに学ぶ教育者ネットワーク』,通称 エデュサポネットEducator Support Network の製作,運用
    全国各地でがんばっている若い先生と,若い先生を手助けしていきたいと考える先生たちを結ぶネットワークをウェブで構築します。ウェブ上のネットワークを通じて先輩の先生が若い先生から気づきを得ることもできるかもしれません。

研究代表者  植木克美(北海道教育大学大学院教育学研究科 教授)

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